調律レポート

先日、ピアノクリニックヨコヤマ塩田さんに調律をしていただきました。調律していただいたピアノは、母が選んでくれたピアノで、1997年10月28日に私の元へやってきました。私は高校卒業とともに丸山先生のピアノレッスンを卒業、以降ピアノからは離れてしまい、10年以上もの間私のピアノは実家にて静かに眠っておりました。娘出産後の里帰りから、1人でまたピアノを弾くようになりました。

今年5月から5歳の娘が丸山先生にレッスンしていただけることになり、これからも親子でこのピアノを大切していきたいという思いと共に、是非丸山先生と同じ調律師さんに…と塩田さんを紹介していただきました。

待ちに待った調律の日。今までチューニングハンマーによる調律しかみたことがなかったため、様々な手法により5時間ほど調律していただく様子を無心で見入ってしまいました。ピアノの内部構造や音の出方、疑問に思ったことに対して、娘にも分かりやすく丁寧に教えてくださり、時々奏でる塩田さんの音色もしっとり美しかったです…。

そして塩田さんご帰宅後、娘がレッスン中の曲を弾いてみたところ2人でびっくり!すぐさま「気持ちいい!優しい水色みたいな音だね!小さい音も弾きやすくなった!」とキラキラスマイルの娘。

調律前まで、娘の小さな指で小さい音を弾こうとすると音がでないことが多く、強弱をつけることが難しい様子でしたが、調律後全く同じ曲を弾いてみたところ、一発目から綺麗な音で弾くことができたため驚きました。私も自宅で娘の練習を見守る中で、調律後は「自分の音をよく聴きながら弾いてごらん」と伝えることが自然と増え、私達とピアノとの生活がより豊かになりました。

かつての私のように娘にもピアノの音を楽しんでほしいという思いが叶い丸山先生と再会、そして今回ピアノクリニックヨコヤマ塩田様に出会えたことは更なるHAPPYな出来事となりました。

最近丸山先生による娘のレッスンを観て聴いていると、私の幼少期のレッスン情景がふわっと蘇ることがあります。そんな私が調律後、まず弾きたくなったのはトロイメライ。弾いてみると、丸山先生の「ここ、波がゆっくりとざばぁーんとなるように〜」と、昔ご指導いただときの声が聞こえてくるような感覚になりました。自分が弾いた音が、自分の思った通りに美しくなめらかに混ざり合った瞬間、ふわっと昔の自分を思い出し、技術は昔に比べて確実に落ちているはずにも関わらず、とても気持ちよく弾いてしまいました。

かつては、”調律=年に一度のピアノの健康診断、悪いところや音のズレを直してもらうもの”としか考えていなかったため、調律師さんによって何がどう変わるのかも知り得ない状態でしたが(ごめんなさい)、ピアノクリニックヨコヤマ塩田さんに調律していただき、”調律=今の自分のピアノの音をより美しく、空気感をもった自分の音にできるもの”なのかもしれないと感じました。

「このピアノは調律するごとに、少しずつもっと良くなっていくと思います」という塩田様のお言葉に、私は今とてもわくわくしております。